「JOB型雇用」?

まず、初めに質問です。
もし、あなたが採用する立場だったらどちらを採用しますか?
一人は「この会社に入社できるなら、どんな仕事でもやります」という人。
一人は、「この仕事がしたいけど、この会社にその仕事はありますか」という人。
最近、「JOB型雇用」という言葉をよく聞くようになってきました。新入社員を募集する会社で、
どの様な人材を求めていくかという場合に今までは「メンバーシップ型」という
形態がほとんどでしたが、最近は「JOB型」を採用する企業も増えてきました。
では、この「メンバーシップ型雇用」と「JOB型雇用」とは何が異なるのでしょうか。
そして、あなたはどっちが向いているのか先程の質問と一緒に考えてみてください。
「メンバーシップ型雇用」と「JOB型雇用」
メンバーシップ型雇用とは、就活生からみたら「就社型」になります。
いわゆる、職業や職種で就職先を選ぶのではなく会社の規模や知名度で就職先を選ぶこと。
入社してからどこに配属されるか判らないし、どの様な仕事内容になるかも不明。
会社に自分の運命を預けるようなものですが、現時点ではほとんどの会社で
このメンバーシップ型雇用が採用されてます。
でも安心して下さい。配属先が決まったらそこで手取り足取り仕事内容を教えて
くれるということになっています。だから、何もかも会社に身を預ければ良いのです。
会社の先輩達も「俺たちの言われた通りについてくれば、そこそこ良い暮らしができるよ」
と思っていました。よく言われる「終身雇用」や「年功序列」というやつです。
でも、社員も気づき始めたのです。
「俺たち会社を信用して入ってきたのに給料は上がらないし、
周りの社員も辞めている、なんか、おかしくねえ~」
会社の経営者も、「自分達が入社した頃はこんな世の中になるとは思ってもいなかった。
どの方向に向かえば良いか読めない。社員一人一人が経営的感覚をもって協力してほしい。」
そりゃ、そんな先輩や経営者が周りに多くいたら新入社員は逃げ出したくもなります。
近年は、高卒5割、専門・短大卒4割、大卒3割が3年以内に辞めていると言われています。
新入社員を採用してもすぐに辞めてしまう。そもそも、最近の新入社員は会社自体を信用していない。
そこで、考え出されたのが海外でも採用されている「JOB型雇用」なのです。
日本でも、この「JOB型雇用」をしている所があります。
それは、中途採用を行う部署です。
中途採用の社員を募集する場合、「あなたは何ができますか?」という過去の経験が問われます。
「〇〇会社で、課長をしていました」なんて通用しません。役職ではなくて、
「何の仕事ができるのか?」が問われます。また、採用したい会社も仕事内容に見合った
給料をだしてその人を欲しがります。
よく中途採用の募集で「経験不問」とか見かけますが、それは「JOB型」ではありません、
入社したら会社の言う通りにしろという「メーバーシップ型」の典型ですので間違ってはいけません。
あくまで会社と働く人が対等の関係でいられるようにするのが「JOB型」なのです。
では、「JOB型雇用」に対して皆さんはどの様に対応したらよいのか?
JOB型雇用に対応していくには
「JOB型雇用」の最大の特徴は、
会 社:「あなたは何ができますか?」
求職者:「私は〇〇ができます(勉強してきました)」
会 社:「なら当社で必要なので来てください。(または、当社と関係ないので要りません)」
という双方が対等な関係が前提になります。
JOB型雇用に対応していくには、「私は〇〇ができます(勉強してきました)」を強くアピールすることです。
ではどの様にアピールするのか?その方法として
(1)資格を取る(または、取得に向けて勉強している)
(2)評価できるような実績を作る
(3)専門分野を専攻して勉強している
(4)ウソでも良いので、自信があることをアピールする
(1)資格を取る(または、取得に向けて勉強している)は、自分も周りの人も解りやすいと思いますが、
もう少し詳しく述べると、資格でも医者や看護師など専門の学校に行って合格しなければその職業に
就けないものから、その職業についてから数年の経験を積まないと受験できない資格もあります。
また、資格を取ったからと言って世間から何の評価もされない資格もあります。
特に芸術の世界やプログラマーなど関連の資格を取っても、「じゃあ、どのような作品が作れるの?」
と聞かれて、何もできないでは話になりません。
(2)の評価できるような実績(作品)を作ることがアピールに繋がりますし、その道に進もうと
している人達はポートフォリオといって発表できる作品集やホームページを持っていて、
いつでもその実績(作品)を見せられるようにしています。
「資格を取る」や「実績(作品)を作る」は最も評価されますが、そこまで具体的でなくても
(3)の専門分野を専攻して勉強していることもアピールに繋げられます。
例えば『事務職』希望の方。
事務職と言っても「経理系」「人事・労務系」「広報系」「法務系」「企画系」などに別れます。
「企画系」などは更に「経営企画」「商品開発」「広告宣伝」「店舗開発」「生産管理」・・・等
に別れるところもあります。あなたが勉強している専門分野から職業を探し出して下さい。
専門の分野で勉強もしてない。そんな人達はどうすれば良いのでしょうか?あとは本人の熱意です。
「ウソでも良いので、自信があることをアピールする」。それをするためには少なからずその仕事なり
会社について知っていなければできません。全くそこら辺を研究もしないで「〇〇をやりたいです」と
いったウソは直ぐバレます。同じウソでもバレないウソをつきましょう。
それには少々の努力も必要です。
最初に問いかけた、「あなたが採用する立場だったらどちらを採用しますか?」という質問で、
一人は「この会社に入社できるなら、どんな仕事でもやります」という人。
一人は、「この仕事がしたいけど、この会社にその仕事はありますか」という人。
あなたはどちらでしたか?
「どんな仕事でも」を選んだ方は『就社(メンバーシップ)型』です。
「この仕事がしたい」という方は『就職(JOB)型』です。
あなたは何ができますか?
『就職』とは、「あなたは何ができますか?」という問いに対して答えを探すようなものです。
中学/高校生なら早い段階から準備していけますが、大学/専門生の場合は早々に決めなければなりません。
そして、その問いに対して回答となるものが『職種』です。
『職種』とは先程も述べたようにただの事務職だけでなく、「経理系」「人事・労務系」
「広報系」等の専門分野に特化した事務職、
営業なら「個人向け(B to C)」「開拓・反響営業(B to B)」「ルート営業」「海外営業」
「セールスドライバー」等・・・どの営業職を選ぶか決めなければなりません。
そこで判らなければ会社が決めたとおりに従うしかないのです。
働いたこともない自分には、世の中にどんな『職種(仕事)』があるか判らない、
自分にあった『職種(仕事)』が判らない。当然です。
『天職診断Go』
では、あなたの『強み』・『感情』・『価値観』を診断し、あなたに適した
『職種』と『業界』を見つけ出してくれます。
その診断結果をベースにあなたなり検討することで、こんな職業もあったのか?こんな資格も必要なのか?
さらにはこんな学校や学科を目指したらよいのか?というきっかけになればと思います。
JOB型雇用とは、あくまで対等な雇用関係です。会社から給料を貰うのでなんとなく相手が上で
従わなければならないと思ってしまいますが、そんなことはありません。
あなたが働いた分の正当な対価を支払ってもらっているだけです。イヤなら辞めれば良いのです。
だって、転職市場は『JOB型雇用』が当たり前ですから、あなたが選んだ『職種(JOB)』で
正当な働きをすれば、どこの会社でも正当な対価は払ってくれます。
就職を考えているあなた、初めは「会社名」や「条件」ばかりに目が行きますが、一番キーとなるのは
あなたが選ぶ『職種(JOB)』です。一度、「転職サイト」を覗いてみて下さい。
この『職種(JOB)』がキーとなって、あなたの将来が決まります。
ここでは、JOB型雇用を推奨しているわけではありませんが、あなたがJOB型雇用に対応していくことで
自分の将来を切り開いていける自信に繋がると思います。
※Comment
ちなみに、冒頭のフィギアは左から、「現場監督(建築施工監理技術者)」「電気工事士」「配管工」
「獣医師」「(国会)議員」「新聞記者」「警察官」「カメラマン」「ホールスタッフ(レストラン)」
「料理職人(コック)」という職種の方々です。
これくらいの職種ならご存じですよね。
でも、おしゃべりな人がなってはいけない職業、サイコパスな人がなっても良い職業、
それぞれの職業の特徴は知っていますか?