大学/専門生の就活

短大生/専門生の方々、入学したと思ったらすぐ就活の準備が必要です。 また、大学生の方々もあっという間に就活準備期間に入ってしまうでしょう。 最終学府を卒業するので新卒における就活は、皆、人生の最初で最後の経験になります。 だから不安でもあり、期待も大きいのでしょう。でも、経験者から言わすと過ぎてしまえば、 何でもないことです。
怯えすぎるのも危険ですし、甘く見過ぎるのも危険です。でも、終わってしまえばなんともないことなのです。
だって、自分が希望するところに入社できなかったからといって泣きじゃくっても解決しません。 それをするのは幼稚園児のレベルです。
会社からお祈りされて泣いても、周りから見たら「あの、お兄ちゃん/お姉ちゃん、何で泣いてるの?」 という程度です。なぜかって言うと、そんなこと社会に出ればいくらでもあるし、多くの人が実際に 経験して通過してきた道ですから。
だから、経験者からすると「何でもないよ~」と感じるのです。 でも、少しは気を付けたほうが良いよという話をここでは取り上げてます。ほんの少しですが参考にして下さい。

キラキラ好きな「ヒカリ」ちゃん

キラキラ好きな「ヒカリ」ちゃん。まぁ、あまり大きな声では言えない大学の3年生、専攻は経営学科。 そろそろ、就活始めなきゃと思っているが、「行きたい会社が、わかんない」「やりたいことが、わかんない」 「何からすれば、わかんない」、よく言われる3W(わかんない)の状態。好きなことは、ファッション、 コスメ、キラキラ星人になってSNSにあげること。バイトのお金はほとんど洋服代。
よく言われる、好きなことを仕事に。就活の軸は?と問われると「きれいなオフィスで、おしゃれな 人達と一緒に仕事がしたい」と答えていた。と言うより、ヒカリちゃんにとっては、就職よりも家庭が大事。 今は彼氏がいないが、いつかは結婚して子供を授かり明るい家庭を築くことが、ヒカリちゃんの 本当の「夢」でした。

でも今は就活。行きたいな~と思う会社は、やっぱりアパレル関係。 でも、先輩などの話を聞くと相当難しいと聞きました。
そんな時に、『天職診断Go』を見つけ診断したら、職種は「営業」、業種は「ゴム・プラスチック製品/製造/販売業」 とでました。見た瞬間、「なにこれ!」の世界。確かに経営学科だから職種の「営業」はまだ理解できる。 でも、この業種は何?
『天職診断Go』で診断したら、『参考会社』というのも表示されました。結構、家の近くの会社だったので、 どんな会社か調べてみたら、その会社で作っている製品は、コンビニ等で売っているアイスコーヒーのカップと フタを作っている会社でした。「ゴム・プラスチック製品/製造/販売業」と言われてもピンときませんが、 結構、身近なものを作っていたのです。 ヒカリちゃん、まだ、納得はしてませんが入社しやすい業種でもあったので家の近くの会社じゃないけど 「ゴム・プラスチック製品/製造/販売業」の会社に応募したら、入社試験なしの面接一回で内定が貰えました。
でも、やっぱり心残りがあります。だって、ヒカリちゃんの就活の軸は、「きれいなオフィスで、 おしゃれな人達と一緒に仕事がしたい」ですもん。言ってはなんですが、今回内定が貰えた会社は工場で、 きれいなオフィスとはほど遠い印象です。
1社から内定をもらっているので安心。あとは、攻めれば良いだけ。未だ就活を続けることは、 一応内定を頂いた会社にも伝えました。すると、「うちなんかいつもそうだよ。人気が無いから滑り止めみたいなもの。 ダメだったらうちに来ればいいよ。」と言ってくれました。最初は嫌な顔をされるかなと思ったけどそうでもなく、 それでも人がほしいなんて、もしかしてブラックとも思ったのです。

ひかりちゃん、もう4年生になりラストスパート。ネットでも、就活関係の情報を収集して元気づけられました。 好きなことから仕事を選びなさい。就活は妥協したらダメ。自分に正直になりなさい。全部が、ひかりちゃんの心に 響きました。好きなブランドの会社に手当たり次第、ES(エントリーシート)を送付。50社以上に送ったかな、 でも、書類選考で全滅。もう一つ、興味があった広告代理店。この業界もオシャレで、きれいなイメージ。 ここも数社にESを送ったけど全滅。
正社員じゃなくてもアパレル業界でバイトをしながら働き正社員の道を探すか、アパレル以外の正社員を狙うか。 初めは、YouTubeなどで就活のこと懸命に見て調べてたけど、それも苦痛になってきたひかりちゃん。 希望の会社から内定をもらったと友達から報告を受けても、素直に喜べない。そんな自分がイヤになる。
暑い夏が終わり秋の気配を感じる頃、高校3年生のクラブ活動じゃないけど、ヒカリちゃんの青春は 終わったと思ったのです。今までは、夢を追って生きてきたけど、現実の世界に入るんだと、正直寂しかったです。

結局、初めに内定を貰った「ゴム・プラスチック製品/製造/販売業」の会社に行くことに決めたのです。 卒業して数カ月、プラスチック製造の会社で営業として働いてます。まだ、判らないことだらけで不安な中、 忙しく働いてますが、なぜ「ゴム・プラスチック製品/製造/販売業」の「営業」を推奨されたのか? おぼろげながら判ってきたのです。
まず「営業」、これは経営学科であることが大きいと思いますが、「ゴム・プラスチック製品/製造/販売業」の 「営業」なので、お客様は大手の会社、いわゆる「営業(B to B)」と言うやつ、定期的に固定客に訪問するだけなので、 ノルマ等も厳しくないし、土日休日でしっかりと休める。あと、入社して判ったことなのですが、 工場では女性もたくさん働いています。しかも、年配の人も多いんです。 製造業で女性が多いという所は、女性が安心して働ける環境、産休も取りやすいし、子供の都合で急な休みにも 対応できるみたい。聞くところによると、以前は営業をしていた女性が、子供が出来たので工場で働くほうを 希望する方もいるようで、女性が多いので柔軟に対応してもらえるみたいです。
これがアパレル業界、広告代理店ではどうだったのか?「ゴム・プラスチック製品/製造/販売業」の 全ての会社がそうだとは言えませんが、アパレル業界よりも子育てに関してはやさしい会社が多いようには思えます。
そう言えば『天職診断Go』の質問で、あなたは「お金」「人の役に立ちたい」「自分のやりたいこと(夢)」 どれが良いかなんて聞かれましたが、就職よりも家庭が大事という私の本当の軸いわゆる『価値観』を 見つけてくれてアドバイスをもらったのかなと思っています。
上辺だけでない本当の『価値観』に光を当てて天職を得た「ヒカリ」ちゃんでした。

意識高い系の「タカイシ」くんと「イチカ」ちゃん

何事にも前向きで優等生の「タカイシ」くん。
環境・資源・エネルギー・食料・バイオテクノロジー等いろいろなところで、「SDGs」が叫ばれそれに 貢献できる技術者が今後ますます社会で要求されるようになると知り、「つくる責任つかう責任」という 「SDGs」の目標に向けて、バイオテクノロジーの学科を専攻しその業界で社会貢献したいと思うようになり 大学に入りました。
ちなみに、「SDGs」とは、「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals)の略称です。

そんな彼、1~2年生の時でもSNSを使い業界の情報を集めたり、ガクチカになりそうなことを試したり、 事ある毎に「SDGs」の重要性を語りながら、かっこいい自分に酔ってました。 そして、3年生になるや、インターンとかに参加して自分をアピールすることに余念がありません。 学校の先生から、「就職先を見つけるときの軸は何か?」と聞かれ、彼は「大企業に行くことです」と答えてた。
そんな彼ですから、最初から大企業狙いでインターンに参加し、ES(エントリーシート)も大手の会社にしか 提出しませんでした。そんなことを一人でやっている分には問題が無いのですが、同じ学科の同級生に インターンシップに10社以上参加したと自慢したり、まだ自己分析してないの?どこの会社をターゲットに しているの?それに答えたりすると「ああ~、あそこは財務状況が悪いからねぇ」なんてケチまでつける状況。
意識高い系かは分からないけれど、周りからは十分嫌われてました。でも彼はそれだけ頑張った甲斐があり、 3年生の後半に最大手の食品メーカーから内々定の通知を受け取ったのです。 そして、4年生になり卒業論文のテーマもその会社で活かせるようにと「ゲノム編集技術を使った低アレルゲンの 食物の生成について」というものでした。でも、相変わらず研究室の仲間にも、 自分が大企業に内定したことでマウントを取ってきます。

余りにも腹が立った同級生のイチカが、タカイシくんに聞きました。
「ねえ、タカイシ、なんでそこまで大企業に拘るの?」
タカイシくんは、「そりゃ~、大企業の方が、給料が高い、福利厚生が良い、安定している、 転職活動に有利、名前の通った会社で周りも認めてくれる、社会的信用もつく、挙げたらキリがない」 と言いました。そして、「僕は、その為に小学校からずっ頑張ってきて大学もそこそこの所に入れた。 大企業に入ることが最終の目標であり、僕の夢だった」と言いました。
そんな彼にイチカは、「タカイシ、あなたは大企業が良いって言ってるけど、大企業は、設計・研究 から製造そして営業・販売まで、すべて自分達でやっている。だから、その仕事を行うために人数が多いだけ。 最近の大企業が、黒字でも早期退職を募集したり、部門ごと他社に売却したりしている。 そんな状態で大企業が良いの?自分だけは定年まで安定していられると思っているの?
ねえ、タカイシ、あなた「フォーカシング・イリュージョン」という言葉知ってる? ノーベル賞を受賞した米国の心理学・行動経済学者のダニエル・カーネマン教授が言った言葉。
「いい学校に入れば、しあわせになれるはず」
「いい会社に入れば、しあわせになれるはず」
「いい給料が貰えれば、しあわせになれるはず」
あなたは、「思い込みからくる幻想」に囚われ過ぎている。いつか、痛い目にあうわよ。
だから私は大学院に進んで、それから小さいけれどベンチャー企業に入って、自分のしたい研究が 続けられる会社で貢献するわ。多分、私が行くのは名前も知らないような中小企業だけど、どっちが 良かったか20年後を見てなさい。人生は一か八か、安定ばかりの人生なんてつまんないヨ」 とイチカは言ってやりました。

それから2年後、タカイシくんが会社を辞めて転職先を探しているという噂をイチカは聞きました。
聞くところによると、彼は最大手の食品メーカーに入社したは良いが、配属されたのは地方都市 のそれも営業部署、大学での勉強が何の役にも立たない仕事についたようです。 タカイシくんは勝手に自分は、研究・開発職になると 思い込んでいたようです。また、こうも言っていたようです。
自分もそこそこいい大学だったけど、研究・開発職に配属される人達はもっと良い大学の院卒、 僕みたいな学部卒のほとんどは工場での生産職か営業、一旦、営業に配属されるとずっと営業。 それも数年ごとに転勤させられる、続けていくモチベーションが無くなったと。
大企業は、組織も大きいので入社するまで配属先も判りません。
会社の安定は考えたのに、自分のリスクを考えなかかった「タカイシ」くんでした。

就職先が見つからない、どうする「ヒナ」ちゃん

何事にもちょっと考えすぎる「ヒナ」ちゃん、お正月も過ぎて来年は卒業、そろそろ就職を具体的に考えないと いけない時期。周りの同級生で早い人はもう準備を始めていたけど、ヒナの周りでは今からという人がほとんど。 でも準備って何をすれば良いのとチョット調べてみたら、「自己分析」「業界研究」「会社研究」「OB・OG訪問」 「エントリーシートや履歴書の準備」「就職試験(SPI)対策」「面接試験対策」どんだけ~って感じ。
「自己分析」って、自分の性格を分析して、将来どんな人間になりたいか?どのように生きたいか?を 考えること。そんなこと考えるだけでパニクルし、どんどん変な風に考えてしまって訳が分からなくなってしまった。 自分に合った職業は?どんな会社に行きたいか?どうやって自分をアピールする?正直、就活なんてもう辞めたい。
でも、そんなことも言っていられない、春先にはいくつかの会社に応募して入社試験も受けました。 夏には、その中の1社で面接試験、「ビジョンとかある?」って聞かれても、緊張してうまく話せず沈没。 その頃から周りでは内定貰ったという声も聞こえだし、自分もまだまだ頑張ろうと思っては見ましたが・・・。 そんな時、腹立たしいのが「煽(あお)る」奴ら。
中でも一番は、近所で幼馴染みの「タカイシ」自分は内定貰ったから偉そうに「内定、未だ?未だ?」と 聞いてくる。タヒネと思った。
そればかりか、ネットやYouTubeも不安を煽る情報でいっぱい。インターンシップに参加した方がいい。 合同説明会に参加した方がいい。どこどこに参加した方がいいって情報を流しているが、そもそもどこに 参加すれば良いかもわかんね~んだよ。 詳しい人に相談する?結局、就活エージェントやオンラインサロンへ引き込む手法。就活サイトに登録する? 登録させて個人情報ダダ洩れ。関係ないメールがどれだけ増えたか。
就職が決まらないことが原因だけど、何をすれば良いか分からない。何をしても自信が持てない。 何もしたくない。卒業したら、奨学金の返済も始まる。考えただけで涙が出てくるヒナ。

いつも頭の中は就活のことでいっぱい。テレビを見てもスマホを見ても外を歩いても、みんな就活を頑張ってる のにできてない情けない自分。 聞こえてくる言葉が「ヒナはバカ、ヒナはダメ、ヒナは必要とされてない」。段々と自分のことを 責める負のループ。頭の中で危険信号のアラームが鳴ってる、危ない、どうにかして。 「ヒナ」が「タヒネ」に見えてくる。
その時、ふと思い出したのがお父さんの言葉。
「自分のことを責めるように考えるなら、考えること自体を辞めなさい」
それからヒナは数日間、外出もせず何も考えずに家にあったマンガを読み返しました。料理もしました。 運動もしました。でも、お風呂はダメ、湯船に浸かっているとつい考え事をしちゃうから。
それから数日後、何も考えないでいるとヒナは閃いたのです。
「みんな、バカじゃない?就活、就活って一生懸命頑張っているけど、そこまでして就職しても 半分近くは数年で辞めている。辞める可能性が高いのに「自己分析」「業界研究」「会社研究」して何の 意味があるの?それをしたから辞めないで済むってもんでもないでしょう。 結局は誰かに踊らされているってことね。」
ヒナは、それから積極的には就職活動はしなくなりました。いや、全然しないわけではないですよ。友達、親戚等には 「良い仕事があったら教えてね」と言ってありますし、会社の規模とか関係なく、良さそうな仕事があれば一応応募は してます。絶対、就職したいではなく、良ければ入ってやるかというスタンスでの応募です。
余裕が出てきたら、そこそこ面接まで行けるようにもなりました。 まだ若いくせに生意気な面接官でこっちから断ってやりましたが。 卒業後の奨学金の返済が心配だって?そんなもん、収入が無ければ返せないのは当たり前で、返済を待ってもらえば いいだけです。返済を待ってもらう方法なんて何とでもなります。奨学金は貸してる方が強いと思ってましたが、 実は、返すほうが立場的に強いのです。だって、返さなければ向うが困りますから。
周りでは、「ヒナは病気になったの?」と言う人もいましたが、その人が就活で苦しんでいるのを見てたら、 あんたの方が病人だよと思えてきました。
ヒナは未だ大学生です、未だ大人になってないことに気付いたのです。だから自分が何をしたいのか? 自分に合った職業は?どんな会社に行きたいか?分るわけが無いと気付いたのです。そうですヒナは大人になり切れてない、 まだ飛ぶことが出来ない「ひな鳥」なんだと気付いたのです。
だから、自分で飛び立てるようになるまでは、「ひな鳥」で居ようと決めたのです。それまでは、バイトでも フリーターでも何でもして生活していくことはできるでしょう。奨学金は返せませんが。そして、飛び立てるようになるまで 「自然に身を任せよう」と思ったのです。

自分に合った職業は?そしてどう成長していけば良いか?というキャリア論について、日本の経営学者の金井壽宏名誉教授が 提唱する「キャリアドリフト」という理論。ドリフトとは「漂流する」の意で、節目において自分のキャリアについて じっくりと考えるべきだが、 節目でない時期は 、予期しなかった偶然の出来事や出会いを柔軟に受け止め、 あえて流されることも大切であると言っています。
また、スタンフォード大学のクランボルツ教授が提唱したキャリア論「計画された偶発性理論」でも、 偶然を楽しむ姿勢の重要性が強調されています。 「キャリアは100%意のままにコントロールできない。80%は偶然の出来事によって決定されている」とも。
これらの理論とは少し異なるのですが、それなら、何も考えずに会社を選ぶのも良いのでは?
初めての就職は確かに大きな節目ですが、岐路に差し掛かりどの道を選ぶべきかという状況で、 偶然の出来事や出会いに身を任せ、あえて「流されてみる」のも良いのではないでしょうか。
例えばですが、当サイトの『天職診断Go』で推奨された『職種』に絞って就活を行うのも良いでしょう。 更には、診断結果で表示された『参考会社』に問い合わせ入社しても良いと思います。 「自己分析」「業界研究」など必要でなくなります。身を任せて入社してみて、思っていた仕事と違うな、 合わないなと思ったら、辞めて転職すれば良いのです。
それでは不安と思う人もいるでしょう。でも、「自己分析」「業界研究」をしたからといって 、それが自分に合った会社、自分の適職だったなんて言い切れますか?
「ドリフト」や「偶然性」といったキャリア論の一つで「身を任せる」という、前向きな理論の一つ であり合理的な選択肢の一つでもあります。 たまたま入った会社の仕事が面白くなり、自分に合っているかも知れません。 それならば続ければ良いだけ。合っていなくてイヤなら辞めれば良いのです。あくまで決定権はあなたです。

あと、お父さんがこれも言ってました。それは、
「大切なのは過去を振り返って後悔しないこと。過去を振り返って内省するのは良いが、反省はするな」
ヒナは、これを聞いたとき意味があまり理解できなかったのですが、今回の経験で、学校を卒業したら 就職するもの。それが当たり前だし、しなければならないものと思い込んでいた。 ましてや、大学まで行かせて貰っているので就職ができて当然。 でも、それが出来ないことを反省し後悔し、自分を責めた。そうではなくて、 内省(過去の行為について深く考え直すこと)だから、反省も後悔の必要ない、 今度から気を付けようという程度で良いということ。事実、就職なんてその程度に考えれば良いこと。 自分をなくしてまで就職するものなのか、それなら、自分は子供のままでいい。 ある時は大人の振りをして、都合の良い時だけ子供の振りをする。
自分らしく生きようとすれば、「ひな鳥」でいた方が良いと気付き、でも、 いつかは飛び立つことができると信じる「ヒナ」でした。

1+1=3を狙った、「コウキ」くん

大学2年生の「コウキ」くん。自分大好き人間です。
そんなコウキくん、次のうち将来どの職業につくか考えていました。
その職業とは、大工、造園師、内装工、電気工事士、自動車整備工、料理人、プログラマー。
チョット待って、これらの職業ってなにも大学を出なくても工業高校卒でもなれる職業なのでは? 言い方を変えれば、あまり皆がやりたがらない職業かもしれません。
コウキくんは現在、情報通信系の学科を専攻し、将来的にはSE(システムエンジニア)か PM(プロジェクトマネージャー)になろうと思っていたのですが、聞くところによると どちらもチームワークが重要でコミュカが必要とされるようです。
コウキくん、最近、自己分析をした際、チームワークで行う仕事は向いてない。どちらかと言うとマイペースで 行う仕事を選択しなさいと指摘されたようです。確かにコウキくん、雑談が嫌いなわけではないが、自分が興味ない 話題だと周りと合わせることが出来なくて怒られるし、自分もすごく疲れると感じていました。
また、今は誰もが希望するIT業界。確かに今はそれだけ人が必要なので、 プログラマーなんかもIT土方(アイティードカタ)なんて言われて、低賃金でこき使われるイメージ。 それでも専門で無い人もこの業界に多く飛び込んでくる。 コウキは、本当にこんな時代がずっと続くのだろうか?と思ったのです。
昔の石炭産業、繊維産業、家電業界、百貨店業界、半導体業界、証券業界、一時は飛ぶ鳥を落とす勢い でしたがすべて後退しました。IT業界も10年、20年後は判らないのでは。 逆に、今、ブームだから尚更危ないかもと思ったのです。建設や板前の職人系の仕事、今は人気ないかもしれないが、 絶対に必要な仕事。そこで技術を身につけるのもありかなってコウキは考えました。
また、自己分析には、人間関係で疲れやすい人は、海外で働くのも選択肢の一つ、人のことをあまり気にすることなく、 のびのびと暮らすことができるので推奨すると書いてあり、自分には合っているのかな~と思い始めたのです。 そして、YouTubeで「海外 職業」を検索してみると、先に上げた職業が出てきたのです。
海外で働く場合、その国の語学は必須+その国で必要とされている職業を見つけること。
語学+プログラマー
語学+料理人
語学+専門職(大工、造園師、内装工、電気工事士、自動車整備工)
「日本で手に職を付けて+アルファ(語学)で海外へ出よう」と。
そこでは、+アルファ(語学)を身につけてから、海外に行って手に職を付けることは辞めなさいと言ってます。 日本で教わるから、繊細できめ細かい作業のやり方が身につけられるが、海外で教わっても身につかない。 多くの国で日本人が暮らしている、その現地で暮らす日本人が納得するクオリティーで無ければ声は掛からないとも。
でも、先に上げた職業、どちらかと言うと日本では300~500万円程度の収入に収まる職業ですが、 海外に行けばその2倍いや3倍貰えるそうです。永住権をとって独立すればもっと稼げるようです。
これこそ、語学〘1〙+手に職〘1〙=2ではなく、〘3〙にする方法なのです。
視点を変えるだけで、見えてくる風景が変わってきます。色々な視点で見る習慣を付けましょう。

ところでコウキくん、その後はどうなったのでしょうか?
コウキくん、自分はじっくり考えるタイプではないし、どちらかと言うと動いている方が好きなので、 内装工を選んだようです。内装工といっても、壁・床のシート張りから、キッチン・トイレ・浴槽の交換、 電線工事マンションの部屋の中をすべてリフォームするような仕事です。
週2日程度、内装工ができるアルバイトも始めました。募集も多いので働くところは一杯あります。 お金も貰えて修行できるなんて最高です。 また、英語の勉強も毎日欠かさず、少しずつ無理せず続けました。
まだ、どこに行くか決めてなかったですが、ハワイ、ニューヨーク、オーストラリア、シンガポール・・・ マンションが多い英語圏の都市部なら仕事は色々選べそうです。 ただ、米国で働く場合、大学卒業の資格もあった方が良いみたいなので大学だけは卒業しました。
それからリフォーム会社に就職し、内装工の経験を更に積んで2年、一応関連資格として2級建築施工管理技士 という公的資格があるので、それを受験して結果待ちの状態です。 そして、今は具体的に雇ってくれそうなところがあるか調べに行く途中。
ハワイ行きの飛行機の機上にいる「コウキ」くんでした。

大学/専門生は初めての経験

高校生の就活は、原則一人一社しか応募できない、内定したら断れない、就職先は先生が調整。 言い換えれば、そこに自由はありません。でも、大学/専門生の就活は自由があるからこそ 悩むのです。だから、不安にもなり、周りの情報に振り回される。
基本は、次の3つから考える。
1⃣今の自分でも「できる」可能性がある仕事
2⃣やっていて「不快でない」我慢できる仕事
3⃣「自分はどう生きたいか」それを実現するための仕事
でも、本当に大切なのは1⃣⇒2⃣⇒3⃣で職種(仕事)を考えて、逆の3⃣⇒2⃣⇒1⃣で会社を探すこと。
大変だ~。本当にご苦労様です。

あと、よく聞く話で就職先がないと聞きますが、今の日本において就職先が無いなんてありません。 自分が行きたい会社が無い、自分を必要としてくれる会社が無い、自分の住みたい場所でその会社が無い、 という自分の考えを押し付けているから就職先が無いだけで、就職先はいくらでもあるのが現実です。
会社側でも、最近の新入社員でダメだと言いながら、良い新入社員の取り合いは変わりません。 少しでも良い新入社員を入れるのに必死です。それが現実です。 あなたも、就職先がないと嘆くより、周りの噂や評判だけでなく本当にその会社を調べてみたら?
案外、お互いが必要としてたと言うことがあるかも知れません。それこそ、恋愛関係と一緒です。 周りが「あの人はやめとき」と言われても相性が合う相手っているでしょう。

それから、5人からコメントを貰いました。みんななんとかやってるようです。
※会社を探すとき、自分の知らない会社がまだいっぱいあるよ。知らないから怖いじゃなく、 自分から飛び込もう!(By「ヒカリ」)
※背伸びして良い会社を目指すか?自分のレベルにあった会社を選ぶか? どっちが自分にとって幸せになれるのかよく考えた方がいいよ。(By「タカイチ」)
※就職したからといって、自分の思う職種(仕事)につけるか判らない。 本当に大企業狙いだけでいいの?(By「イチカ」)
※計画された人生、そこに向かって努力して、できなければ自己反省。 そんなの押し付けないで、流れに身を任せてもいいのでは?(By「ヒナ」)
※「時間の軸」「場所の軸」、視点を変えるだけで見えてくるものがある。 「軸」はまだあるし、僕は、仕事を足し算したけど引き算しても良いのかも?(By「「コウキ」)

※Comment
『この木なんの木、気になる木』で始まる、日立グループを代表するCMに登場する「日立の樹」。
ハワイ・オアフ島にある高さ:25m、幅:40mの大樹。木の品種はモンキーポッドという、樹齢は約120年。
年に2回、5月と11月の頃、開花する。トップページは開花した状態の写真。
「社会人として旅立つみんなが、大地に根を伸ばし、いろいろな花を咲かせ、社会に実を結ぶ」
そして、そんな社会の下で、みんなが守られている。
小さなことに囚われず、勇気をもって『最初の一歩』を踏みだして下さいね。

良ければ参考になるので、 【中学/高校生へ】 もご覧ください。